ありがとう!TVガイド17号 講師NAVI 誌面連動企画 Pick up講師 山田 直樹さん

2026年8月20日

-山田さんのお仕事の内容を紹介していただけますか?
山田講師(以下称略) 現在、神田錦町で個人事務所をしておりまして、司法書士として法務の仕事、中小企業診断士として経営関係の仕事ですね。そして、研修の講師として教育の仕事の3 つをやらせていただいております。

-中小企業診断士としてはどのような業務を行っていますか?
山田
 現在メインで行っているのは行政の相談窓口業務です。東京都中小企業振興公社で相談員を務めるとともに、千代田区から経営相談員の委嘱を受けて、週に一回は千代田区役所で主に融資や創業の相談を担当しています。

-創業相談では、どのような方が多いのでしょうか?
山田 若い方だけでなく、シニアの方も多くいらっしゃいます。特に千代田区では女性の方が多く、年齢層もまちまちです。国が後押ししていることもあり、起業を希望する方は非常に増えている実感があります。

-研修の受講者の皆さんはどんな方たちが多いですか?
山田
 法務の系統が自分の仕事のメインということもあり、実際に多いのは役員向けの研修です。業種業態に偏りはなく、不祥事が起こった会社からの依頼と、不祥事は起きてないが未然に防ぎたいという二つに大きく分類できると思っています。

-例えば、どんな不祥事がありますか?
山田 建設やIT 業界で下請け業者を使っている会社において、現場でのトラブルが発生するケースがあります。例えば、現場のものを窃盗するような事件や、お客様や周辺の方との人的トラブルなどが起こり、依頼主からコンプライアンス違反の指摘を受けて工事が止まるようなケースです。

-研修で必ず共通して伝えることは何ですか?
山田
 「知識より意識」ということを共通してお伝えしています。私も長年企業に勤めてコンプライアンス研修を受ける立場にありましたが、従来の研修は違反事件の事例紹介と懲戒処分の説明が中心で、受講者が「自分とは関係ない」と感じてしまい、しらけてしまうことが多かったのです。

-そのしらけた状況をどのように変えていくのですか?
山田
 他人事を自分ごとに変えることです。違反事件が自分の職場で起こったらどうするかという視点で考えてもらうことで、当事者意識を持ってもらうようにしています。

-ハラスメントについても意識を変えなきゃダメだというのはわかるんですけど、それをどうやって伝えますか?
山田
 今、ハラスメントって非常に浸透してきていて、かつてはセクハラ・パワハラから出発したのが、カスハラからマタハラから、いろんなものになっています。でも、その根っこにあるものは「人権」だと思うんですよね。フジテレビの報道で言われてたポイントは、ガバナンスの機能不全と、社員に対する人権の配慮不足です。今、役員研修でもコンプライアンス研修でも人権を取り上げてほしいという要望が多く、人権研修を受けてない会社とは取引しないという企業も出ているぐらい、変わってきています。

-捉え方が様々ある人権をどのように定義されていますか?
山田
 人権の本質というのは他者理解だと思っています。自分のことではないけれど、もし自分に起こったらどうしますかと。そこを考えてもらうのが、人権理解の根本だと思ってます。例えば、今、トランスジェンダー、夫婦別姓、同性婚などの問題について、自分には関係ないことだからと思ってる人は結構多い。でも、それが自分の家族に起こったらどうするかと考えてもらうと、それは職場で言っていい言葉なのかどうかと思考が置き換わってくるんです。

-素人でもできるコンプライアンス違反にならないような工夫があれば教えてください。
山田
 自分の思い込み、アンコンシャス・バイアスを解くことです。そのためには、他人がどう思ってるのかを聞いてみる。家族に「こういうことがあるんだけど、どういうふうに思う?」と聞いてみるとか、友人に聞いてみるというだけでも、ずいぶん違うと思います。おかしいと思った時に、誰かにちょっと聞いて相談してみるということが、非常にいいのではないかと思います。

-今後のキャリアを考えたときに、この先どのようなビジョンをイメージされていますか?
山田
 自分がどうなりたいかという明確なビジョンは描けていませんが、大学院や短大での授業も含めて次世代につなぐ仕事というものを意識的に増やしていっているところです。皆さんからいただいた恩を返していく、恩送りをしていくステージにいるんだろうなと思ってます。そのためにコンプライアンスの研修が必要だし、役員とかマネジメント層の方にちょっと道を空けてもらって、若い人たちを応援する側にまわってもらう。その橋渡し役ができたらいいかなと思っていますね。

-ありがとうございました。

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