ありがとう!TVガイド第16号巻頭特集インタビュー 関 俊一さん

2025年12月24日

関:ビジネス英語研修を軸に日本の企業様のグローバル人材育成のお手伝いをしています。英語が喋れる使えるということがそのままグローバル人材ではないと思うんですね。グローバルで活躍される人材の定義やニーズも変わってきています。そこをきちんとサポートできる会社、これがアクトです。

― 英語が喋れることにプラスアルファした人材を育てていくんですね
関:日本では英語に対する苦手意識の裏返しからか点数が高い人が評価されがちです。例えばショパンのピアノコンチェルトの楽譜を読める人が実は日本人にはたくさんいます。でも、ピアノコンチェルトを弾きこなして感動を与えられる人は何人いるかというと実は少ないですね。つまりピアノって弾いて人に聴いてもらって初めて伝わるものです。いくら楽譜が読めても伝わらない。TOEICで何点です、英検何級です、よりも言葉を使って物事を伝えられる人。要はピアノを弾いて感動を伝えられる人、これが一番大切なポイントだと思います。

―伝えることによって人を動かせる、何か生み出すといったことができる人ですね
関:やはり英語はグローバルな言語です。そのツールを使って自分として何ができるのか。これができる人がグローバルで活躍できる人。そこに各社さんの思いや状況を重ねながら人材育成のお手伝いをしています。

― アクトは創業何年になりますか?
関:今年創立25周年を迎えました。私がこの会社の代表になったのは2018年、就任して7年です。

― 代表就任前のお仕事は?
関:最初は日本の損害保険会社で働いていました。そこで海外赴任の機会がありニューヨークやシカゴに長く滞在しました。日本に帰ってきた時が金融の自由化の波で会社がどんどん合併で消えていった時代です。その中でAIGと言うアメリカの保険会社に移り、グローバルリスクマネジメントのもとM&Aのお手伝いをすることになりました。そこで日本企業買収のサポート業務に従事するようになったのですがなかなかうまくいかない。その一番の原因は何だと思います?

― 文化の違いでしょうか?
関:まさにそうです。よく「異文化理解」といわれます。異文化ということは「日本の文化」対「他」。日本と異なる世界を知らないといけない。正しいのですがグローバルな目から見ると、アメリカ人、アジアの人、アフリカの人、いろいろな人がいる。多文化なわけです。その中で自分がどういうポジションにいて今ここでできることは何なのかということを考える。その練習ができてない。だから残念ながら自分と異なる部分についてはなかなか理解ができないし理解もしてもらえない。そこにやはり溝ができてくる。せっかくのチャンスだったものが崩れてしまうケースを多く見てきました。気がついてみると今のこの人材育成の会社でグローバル人材育成のお手伝いすることになるとは全然思ってなかったのですが、あの時の思いがここにつながったのかなとは思います。

― 異文化同士の理解には何かコツみたいなものがありますか?
関:異なるということを前提として話し合うこと。その上でお互いを認め合い理解していくことではないでしょうか。社員をグローバルプロジェクトのリーダーにしたいので英語でディスカッションできるようにしてほしいというオーダーがよくあります。ここで問いかけます。この方は日本語でも議論できていますか? 相手のことを知ろうとしていますか? プロジェクトを通してこれをしたいと伝えられていますか? 本当に議論ができていますか?と。要はコミュニケーションってそういうことじゃないかと思うのです。

― お互いにその思いをくみ取った、WIN-WINの関係を落としどころとして持てるかどうかですよね。
関:よくバトナ(BATNA=Best Alternative to Negotiated Agreement)と言いますが、これもいいけどでもこっちでもいいよねっていうところがあるわけです。そこをお互いにどうやって見つけ出すのか。日本人はどちらかというともうダメだとあきらめがちです。海外の企業を買収したいという事例がありました。交渉の場ではどうしても通訳を使う。でも伝わらない。最後は感情的になってしまう。でも、あとで通訳を外したところをビデオで確認してみるとそんな感情的になる部分じゃないわけですよ。どうやって、お互いに手を握れるように努力できるか。そこだと思います。

― 組織を運営していく上で、大事にしたいことは?
関:これは一つだけでして毎日が楽しいことです。仕事ってつらいことが多い。数字が良くない、これもできてない、これを言わなきゃとか色々ある。でも、やはり楽しむことです。うちの社員もせっかくのご縁で来てくれた人たちなので、お互いに楽しいのが一番いい。

― 理想の組織の形とは?
関:楽しく明るくというのは大原則ですが、一つだけ忘れていけないのは成長しなければいけないということ。ビジネスで成長しなければ明日はない。明日をちゃんと作るから楽しい。自分が楽しまなければいけないし笑顔でいたい。そのためには成長しなければいけない。成長とはただ数字が伸びるということだけではないと思います。今日できなかったことが明日できるようになる。失敗は大いに結構。この失敗を生かして明日、来年にはこれができるようになろうと成長を具体的に実現していくということ。それがないと楽しくありません。

― 成長するから売上利益にも繋がっていく。結果的に組織も成長していく
関:お客様にも喜んでもらうためにバリューアップしなければならない。そのためにここをもっと伸ばそうということが社員の成長にも繋がる。結果的にそれがお客様の感謝に繋がりお客様も成長する。さらにグローバルに成長していくお手伝いができてWIN-WINのスパイラルアップができるということ。これは必須です。

― メンバーの成長やキャリアの形成についてどのように考えていますか?
関:自分のキャリアは先ほどお伝えした通りで、現在このグローバル人材育成のお仕事に繋がっています。このご縁こそがキャリアそのものだと思うのです。うちには2、30代の若い社員がいます。彼らはキャリアアップしたい、来年にはマネージャーになりたいと言ってきます。その時肩書はキャリアじゃないと伝えています。「あなたがお客様にどんなことをできるようになったのか。その積み重ねだよね」と。目の前のことを楽しく一生懸命やる。ただしちゃんと成長を目指していく。お客様の成長、バリューの成長、自分の成長を考えて動いていく。そうして振り返ってみると自分のキャリアになっていたと言える日が来るよ、という話をします。

― これまでのキャリアについてご自身の中ではやりきったという感覚がありますか?
関:失敗はいっぱいしました。でも後悔はないですね。当然反省はたくさんあります。ただやり切ったかどうかと言われれば死ぬまではやはりいろいろやることがあるのだろうなとは思います。仕事を続けるとかキャリアを伸ばすということではなくて自分が今できること目の前のことを一生懸命やりたいと思います。それが今、うちの若いスタッフが成長できるように、彼らが失敗してもいいから勇気を持って明るく楽しんで取り組んでくれるようにサポートすること。成長してさらに頑張っている姿を見るのは楽しいしエネルギーももらえます。

― 株式会社アクトのこれからの可能性、展望、ビジョンをお聞かせください
関:グローバルな環境においてやはりお客様が苦労されている。それをサポートするためにアクトのメンバーがその場にいて一緒に汗をかいている。そうしてお客様に喜んでもらいプロジェクトも会社も成長している。その姿を見ることです。

― 本日はありがとうございました。

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